072-785-7055
兵庫県伊丹市鴻池3丁目4番3号
グランベルデ鴻池1-A
糖尿病と合併症
糖尿病とは
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの量が不足したり、働きが悪くなる事で血液中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎた状態(高血糖)が長く続く病気です。
血糖値が高い状態が長く続くと、血管が傷つくことで生じる網膜症・腎症・神経障害といった細小血管による障害や、脳卒中・狭心症・心筋梗塞といった大血管による障害、いわゆる糖尿病の合併症につながります。
日本では、成人の4人に1人が糖尿病あるいはその予備軍と言われています。
発症早期から治療の介入をすることで、このような合併症を予防できるため、早期からの治療が推奨されています。
当院は糖尿病専門病院として、一人ひとりに合った目標を定め、早期に治療を介入し、正しい治療を継続します。専門的なアプローチを行い、合併症から守り、皆さんの人生をサポートします。
糖尿病の初期症状は無症状!!
糖尿病はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれる病気の1つに数えられるように、多少血糖値が高い程度では全く自覚症状がないことが多いです。症状はありませんが、血糖値が高いと、合併症は進行します。
また、はっきりとした症状が出た時には糖尿病がすでに進行してしまっている状態もしくは急に悪化した可能性があると考えられます。
以下のような症状がみられる場合にはすぐにご相談下さい。
高血糖に伴う症状
- のどが渇く(口喝)
- 水などをたくさん飲む(多飲)
- おしっこがたくさん出る(多尿)
- 体重が減る
- 疲れやすい(全身倦怠感)
糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。
- 1型糖尿病
- 体内でインスリンを分泌する唯一の細胞である膵臓のβ細胞が何らかの理由により破壊され、インスリンの分泌がほとんどなくなってしまう事で糖尿病を発症します。 1型糖尿病についてはこちら
- 2型糖尿病
- インスリンの分泌の低下や抵抗性(インスリンが効きにくい状態)をきたす遺伝的因子に、食べ過ぎ、運動不足、ストレスなどの環境因子が加わって発症します。
生活習慣病としての糖尿病は2型糖尿病を指し、日本人の糖尿病の95%を占めます。 2型糖尿病についてはこちら
糖尿病合併症について
血管は、体のすみずみに栄養を運ぶ通路のような役割を果たしています。
血糖値が何年間も高いままでいると、血管が傷ついたり、詰まったりして、血流が滞ってしまいます。このように、高血糖が原因で血管とそれにつながる臓器が障害されると、糖尿病に関連するさまざまな合併症が生じます。
糖尿病の慢性合併症は、数年から数十年の経過でゆっくり生じてきます。
かなり進行するまで症状が出ないこともあり、気が付かないうちに合併症が進むと、時として命にかかわる重い状態となることもあります。
慢性合併症は大きく2つに分類されます。
細小血管障害と大血管障害です。
細小血管障害
細い血管が傷つけられて生じる合併症で糖尿病3大合併症と言われています。
それぞれの頭文字をとって「しめじ」と覚えます。
- し 神経障害
- め 糖尿病網膜症
- じ 糖尿病腎症
大血管障害
高血糖は血管が固くなったり、狭くなったりする「動脈硬化症」を進める原因になります。高血糖の他に高血圧や脂質異常症、肥満、喫煙、加齢も動脈硬化につながります。
動脈硬化症はからだの比較的大きな血管と、それにつながる臓器を障害し、大血管症をひきおこします。
それぞれの頭文字をとって「えのき」と覚えます。
- え 壊疽(えそ)末梢動脈閉そく疾患
- の 脳梗塞
- き 虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)
糖尿病の合併症検査
糖尿病で高血糖が続くと、血管のダメージが蓄積して動脈硬化や毛細血管の損傷が起こり、深刻な合併症を起こす可能性があります。
糖尿病と診断されたら血糖値のコントロールを続けるだけでなく、状態に合わせて合併症の検査を受ける必要があります。
血管の検査
動脈硬化・血管年齢検査(ABI)
血圧は上腕部で計測しますが、この検査では足関節でも同時に血圧を計測し、足関節の収縮期血圧を上腕部の収縮期血圧で割ったものがABIの数値となります。
ABIは1.0~1.3が正常値であり、これ以下の数値になった場合には足の動脈の血流が落ちている可能性を考えます。足の血流障害は下肢閉塞性動脈硬化症を引き起こし、進行すると皮膚の潰瘍から壊死、切断に至る可能性もあります。
この検査では、脈が伝わる速度の測定も行います。脈が伝わる速度と年齢には相関関係があることが分かっているため、血管の老化、動脈硬化の指標となっています。
頸動脈超音波検査
首の部分にある太い頸動脈の血管壁の肥厚、狭窄、プラークの有無、血流の状態をリアルタイムで確認できる検査です。脳卒中・心筋梗塞の危険度などを推測するのに役立ちます。
腎臓の検査
3大合併症である糖尿病腎症は、進行すると腎臓が尿をつくれなくなって透析が必要になります。日本では透析が必要になる原因の中で最も多いのが糖尿病といわれています。
重症化するまで自覚症状の乏しいため、定期的に検査を受けて腎臓の状態を把握することが大切です。
尿中微量アルブミン検査
尿検査で実施され、腎臓の血管がダメージを受けることで尿の中に出てくるアルブミンというタンパク質の量を測定します。健康診断などで行われる尿検査よりも、糖尿病腎症のステージがより早い段階で見つけ出すことができます。
尿蛋白検査
糖尿病腎症第3期になると、たんぱく尿が陽性となることが多くなります。
目の検査
三大合併症の糖尿病網膜症は失明や視力の低下につながる可能性がある病気です。
症状が現れる前に網膜がある眼底には血管の障害が生じています。
日本の中途失明の原因は、第一位は緑内障、第二位は糖尿病網膜症という状態が長年続いています。
当院では初診で来院された方は必ず眼底検査を行い、網膜症の有無を確認しています。
医療法人社団 大木医院
〈院長〉菅原 佳織
〈診療内容〉一般内科・糖尿病専門外来
072-785-7055
〒664-0006 兵庫県伊丹市鴻池3丁目4番3号
グランベルデ鴻池1-A
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(荒牧公園行[2番系統])
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